過去ログ - おっさんがハッピーシンセサイザーを踊るまでに至る長い経緯(勝手な妄想)
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81:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県)
2012/04/07(土) 21:15:15.18 ID:+70U/rKo0
「直樹、着いて早々悪いが、頼むぞ」

「いえ、若いですから」

俺はおっさんってか。

俺たちは、サクサクとトラックへ運ぶ、大物は二人で、小物はダンボールにガンガン積め込み、3時間もしない内に大方綺麗に片付いた。

そしてトラックの荷台にシートを被せ、直樹がシートをロープで縛っている最中の事、3人の女の子がこちらに向かってくる。

「あの、ひょっとして、恭子の、いえ、神海さんのご家族の方ですか?」

一人の女の子が俺に聞いてきた。

「ああ、恭子は今、俺と一緒に暮らしているが、ひょっとして君たちは?」

すると、もう一人の女の子が前に出る。

「はい、私たちは恭子の友達なんです。ご両親が亡くなってから急に転校が決まって、携帯も繋がらなくなって、連絡もとれなくて・・・」

胸の前で両手を組み心底心配そうに尋ねてくるその仕草はその子達にとって恭子はとても大切な存在だったのだろう。

「ああ、大丈夫だ。確かにまだ辛い出来事から完全に立ち直った訳ではないが、最近は笑顔も良く見せるようになったし、すごく元気になったと思う」

よかった、そう三人の女の子は言い、喜び合う。

「恭子は、まだ踊ってますよね?私たちダンスグループなんですけど、恭子は一番上手で本当に好きだったから。・・・あの、お帰りになられましたら、是非私たちがまたいつか一緒に踊れたらと恭子に伝えていただけませんか?」

踊る?

ちょっと待て、俺は何故忘れていたんだ。

そうだ、小さい頃から恭子のダンスがとても好きだった。

師匠が親馬鹿のように俺に自慢していた。

家に着てから恭子はそんな様子は全く見せなかった。趣味を聞いても料理や家事としか言わない。

何故、あんなに好きだったものを、やめてしまったのか。

俺が中で色々な疑念が渦巻く中で恐らく俺たちのやり取りを見ていたのか、叔母が声を掛ける。

「あの子はまだそんな事をしてるのかい。アンタも大変だね。家に居ついていた頃も公園で一人で変な踊りをしていたから、引っ叩いてやったのに、近所の笑いものだよ」

叔母の発言に、女の子たちは酷い、何故そんなことを、と悲しそうに口々に言う、中には涙を流す子も居た。



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