過去ログ - 魔法少女×仮面ライダー まどか&W SS大戦GIGA MAX
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VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)
[saga]
2012/04/25(水) 21:25:21.39 ID:EjUQKev90
「上条君。ちょっとお話したいことがあるのですが……よろしいでしょうか」
一方。仁美はさやかに背を押された後、久しぶりに走った。
帰り道、松葉杖をついて歩いているはずの恭介に追いつくために。
「えっと……志筑さん? 別に問題ないけど、あれ? 志筑さんって家こっちだったっけ」
「いえ、全然逆ですわ。上条君とお話したくて、走ってきたんですの」
「そ、そう。疲れたでしょ。じゃああっちのベンチにでも行こうか」
柄にもなく息が上がって、膝に手をついている仁美の様子を訝しみながらも、とりあえず恭介は話は聞くことにした。
更に言えば仁美は普段まどかやさやかと仲良くしているので、多分、
さやかと喧嘩でもしたのか、とかそんなことを聞かれるんじゃないかと思っていた。
「……はぁ。松葉杖だとこの程度の距離を歩くのにもすごく疲れちゃうね。それで、何の用かな」
「えっ……と。驚かないで聞いてくださいね? 私、その……」
顔を赤らめて俯く仁美。
その姿は彼女の顔に射す夕日の色も相まって、とても美しかった。
「上条君のこと、ずっと前からお慕いしておりましたの。よろしければ、私を貴方の恋人にしてくださいっ」
捲し立てるようにして早口で、ではあったもののそれでも顔を上げて毅然とした表情で、仁美は告白した。
ごく普通の男子中学生なら天にも昇る心地になるだろうその言葉を聞いても、
やはり恭介の気分はいまいち盛り上がらない。
「あっ……あー。志筑さん、その気持ちは、その、嬉しいんだけど……うーん、なんて言おうかな、今はそういうことは考えられなくて……」
この言葉に嘘はない。
何せ今、人生の全てを懸けてきたバイオリンにすら気持ちが籠らないのだ。
他のことに目を向ける余裕があろうはずもない。
「……やっぱり、さやかさんのことですか?」
「え?」
「さやかさんも上条君も、なんだか今日は様子がおかしかったわ。何か、あったんですの? とても悩んでいるように見えますわ」
そりゃあ、様子だっておかしくなるだろう。
長年付き合ってきた幼馴染に愛想を尽かされたのだから。
ただ、悩んでいるのがさやかのことかと聞かれると答えはノーだ。
喧嘩をすることなら何度でもあったのに、今回だけこんなにも気分が落ち込んでしまうのが何故かと悩んでいるのであって。
……うーん、これはやっぱりさやかのことってことになるのか?
「えっとさ、さやかのことって言ったらそうなんだけど。入院してたとき、ちょっと彼女に八つ当たりしちゃって……」
それを聞いて、なんとなく仁美は事情を察した。
もしかして自分は物凄く損な役回りを自分から演じに行ってしまったのではないかと。
「皮肉にもその日の晩に腕が治ってさ。謝らなきゃ謝らなきゃとは思ってたんだけど」
「その日以来、さやかがお見舞いに来てくれることもなくなって、言い出す機会もなくなっちゃってさ」
「そりゃそうだよね、僕だってせっかくお土産まで持ってきてるのに理不尽な八つ当たりをする奴のお見舞いなんて行きたくないもの」
「……ぷっ、あはははっ!」
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