15:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)
2012/02/26(日) 03:18:04.74 ID:0NU+SH9ao
「久しぶり」
先に話を仕掛けたのは僕だった
「久しぶりね」
彼女も順当に返す
「悪かった」
「何が?」
「いろいろ」
「色々、ね」
「色々」
いつも通りの、テンションで
「僕はさ、結局この程度の人間なんだよ」
「この程度って?」
「見たとおり」
「うん?」
「欝でダメで、君を励ます言葉も出せない人間だ」
「――――」
彼女の顔が、少し曇る
「君の陽気さ、元気さ。それが偽りだったのに気づけなかった」
「偽り、だったのかな」
「君が偽りじゃないっていうんなら偽りじゃないんだろうけど。ここからは僕の推論で勝手にのべつ幕なしにまくし立てる」
聞いて欲しい、と
「君は幾度か、僕に救難信号を送っていただろう。僕はそれに気づけなかった
いや、わざと気づかなかったのかもしれない、僕にもわからない。
でもたぶんね、君の陽気さ、元気さに憧れていたから、焦がれていたから、
だから、気づいてあげられなかったのかもしれない。君が羨ましかった。
誰にでも笑いを与えられて、尚且つ自分も幸せそうにしてる君がね」
だから
「だから、ごめん」
そういった途端、彼女はボロボロと泣き出した
声は上げず、ただ、涙だけを流した。
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