過去ログ - 吹寄「上条。その……吸って、くれない?」 part2
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101:nubewo ◆sQkYhVdKvM[saga sage]
2012/03/27(火) 03:02:47.31 ID:Y0rItiJNo

浴室を湯気で満たしながら、吹寄制理は一人、丹念に体を洗う。
肌が傷ついたり赤くなったりしないようにといつもの倍ほど気を使いながら、丁寧に泡立てたスポンジを体の上で滑らせていく。
足の指先の間だとか、膝の裏だとか、いつもなら少し気を緩めてしまいそうなポイントまで気を抜かない。
膝の裏はともかく、足の指を上条に舐められるなんて展開があったら色々と困るけれど、そういうことがないとも言い切れないし。

時間はもう夜といっていい頃。夕食はすでに摂り終えて、これから本格的に夜の時間を迎えるところだ。
改めてこの一日を振り返り、吹寄はため息をついた。
最後は嬉しい出来事で締めくくれた一日だったけれど、自分を取り巻く状況は激変したといっていい。
だって自分の彼氏、上条当麻が自分のことをはっきりと恋人だと宣言してくれたのだ。
それもクラスメイトと、さらに担任の小萌先生までいる目の前で。
嬉しくないと言えば、嘘になる。夜になった今でもあのシーンを思い出すと恥ずかしさと嬉しさで、にやけながら身もだえしそうになる。
そんなのは、全く持って吹寄制理らしくないと自覚はしているのだが。

「んっ」

しまった、と一人で恥ずかしくなる。
馬鹿な話だ。乳首を掠めたスポンジに思わず感じてしまうなんて。
上条に愛されていることを反芻しながらだったから、体がいつもと違う反応を示してしまったのだろう。
早く上がらなきゃ、と吹寄は気持ちを切り替えた。

上条は今、自分の部屋に戻っている。
ついでにそちらでシャワーを浴びてくると言っていたので、それが済み次第、戻ってくるだろう。
上条が部屋に戻ったのは、お泊りセットを持ってくるためだ。
同棲を前提になんてこれっぽっちもしていないから、吹寄の家には上条が快適に暮らすのに必要なアイテムが色々と欠けている。
それを、上条は取りに戻っているのだった。

バスルームから上がり、手早く体に付いた水をふき取る。
柔らかいバスタオルが腕や背中からさっと水玉を吸い上げていくが、髪はそうも行かない。
女子の中ではやや長いほうになる髪は濡れたままだとよく纏まる。それをぎゅっとタオルで挟み、しっかり押し当てて水をタオルに移していく。
そうして髪を傷めないように水分を取りながら、自分の裸体を映す鏡に目をやった。
相変わらず理想よりふた周りは大きい乳房に少しため息をつく。乳房の下にかいた汗に気付いてそれをふき取った。

「ドライヤーは……後でいいか」

それよりはとりあえず服を着てしまうことと、あんまり上条に見せたくないアイテム、
例えば出しっぱなしの化粧水だとかクレンジングオイルだとか、
ナプキンだとかを目に付かないところに仕舞う作業を先にやらないといけない。
吹寄は洗濯機の上に置いたブラを手に取り、手早く身につける。
そしてパンツに足を通そうとして、手を止めた。

「……」

足を肩幅くらいに開いて、下半身の付け根にバスタオルを這わせ、押し付けた。
いつもやっている行為だ。というか普段はもっと露骨に股を開く。
別に上条に見られているわけでもないのに、吹寄は慎みある仕草で、地肌に比べ乾きにくい毛の繁ったところを丁寧に拭いた。
何をやってるんだか、とため息をつきながらパンツを履く。
デザインは高校生として普通くらいのものだと思う。薄いピンクの、無地のヤツだ。
刺繍が入っていて大人寄りのデザインではあるけれど、布の面積は普通くらいだし、装飾も華美ではない。
どういうのが上条の好みか分からないが、無難なデザインかつ、それなりに可愛くて気に入っている下着だった。
一応、今日のために用意したものではある。



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