104:ブラジャーの人[saga]
2012/03/23(金) 00:40:13.49 ID:X7cwmj8Z0
打ち止めが窓を開けて外を見ていた。この部屋は一階だが、地下室があるのか地面は遠く、二階ほどの高さがある。
窓の外を、下からもくもくと煙が立ち上がっていくのが見えた。火事ではないようだが……
「なにが燃えてンだ?」
「お肉。マンガのキャンプみたいな焼き方だよ!」
一方通行も打ち止めの隣まで来て下を覗き込む。あれはどう見ても、さっき国王に強奪されていた肉だろう。
やはり豚一頭まるごと状態だったのか、胴回りと四肢のみにまで加工されてはいるが、まるごとだった。
片手で握っても指が回らないほどに太い木の枝が首から尻に通され、両脇をこれも枝で支えられていた。下ではいい塩梅で燻った薪が肉を焦がしていて、食欲をそそる匂いも部屋まで届く。
「お肉は発見したけど王様がいないね、ってミサカはミサカは周囲を確認してみる。マッチ号か、さっきのコックさんにお知らせした方がいい?」
「さァな」
ベッドサイドに備え付けられている内線電話を取ろうとして振り向く打ち止め。
「っ! きゃ、誰!?」
妻の悲鳴に、体が自然に反応する。一方通行はとっさに左手で打ち止めを庇い、杖を放って首の電極に手を伸ばす。
侵入者に驚く声で異常に気づくなんて。気配をまったく感じなかった己の不甲斐なさを責めた。しかし、
「………おい、その顔…」
ここ数日、写真や動画で見た覚えがある。
「こんにちは。ようこそマリネラへ。僕が国王のパタリロ八世です」
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