121:ブラジャーの人[saga]
2012/03/25(日) 22:17:08.04 ID:WXly0sha0
すぐにガサガサ、ガサリと、道なき道から、葉っぱをくっつけた男の子が現われた。薔薇の茂みを掻き分けておきながら、どこにも刺で怪我した様子がない。
「……ふふふふふ、こんにちは、お兄ちゃん、お姉ちゃん。ここでは初めて見る顔だね」
「びっくりした。こんにちはチビちゃん。鬼ごっこでもしてたの?」
「まぁね。ママがコレを取り上げようとするから逃げてたんだ…けど、もう追いつかれちゃうなぁ」
見たところ、七、八歳くらい。金髪の巻き毛が美しい子供だった。あどけないその顔は、フランス人形のように完璧だった。
手には携帯用ゲーム機。落とさないように首から紐が掛かっていた。
「おいガキ、随分この城に馴染ンでます、って物言いだな。こ」
一方通行が子供に話しかけた時、彼らは初めて目を合わせる。
その瞬間、一方通行の胸を急激な圧迫感が襲う。あまりの苦しさに、打ち止めから離していた左手を再度伸ばし、彼女に縋りついた。
「!? あなた!?」
(なン……!? コレは…っ)
しばらくご無沙汰だった、この感じは……
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