134:ブラジャーの人[saga]
2012/03/27(火) 23:17:13.35 ID:mcabOpkg0
「僕は本当にママのお腹で大きくなって産まれたんだから。その時のこと覚えてるし。何より手術はこの宮殿でやったんだ。パタリロ国王もタマネギ達もみんな知ってるよ」
「………」
「………」
「不思議だと思うけど、そういうことがこの世界にはあるってこと、お兄ちゃん達も分かってるでしょ?」
そう言われると、過去に見てきた、体験してきた出来事のなんと不思議であったことだろう。
それに比べたら、男が赤子を妊娠するぐらい「アリ」かもしれない。
「無理に信じてくれなくていいよ。ただ、ぼくはフィガロがこのお腹に宿ってくれたことに感謝してるし、幸せだから細かいことは結構どうでもいいんだ」
細かいことだとは思えないが、ほほ笑み合う親子は本当に幸せそうだった。
(羨ましいなぁ、かわいいなぁ、ってミサカはミサカは早く自分の赤ちゃんに会いたくなってみたり)
小さな男の子が、母(?)の膝に抱かれて笑う。あと数ヶ月後には、自分もきっと、絶対こうなっているはずだ。
「フィガロちゃん、ミサカのお膝にもおいで?ってミサカはミサカは勧誘してみる」
なんの躊躇もなく軽く頷いて、子供は膝から膝へ移動を開始する。フィガロに不審を感じている一方通行は、一瞬やめさせようかと思ったが、打ち止めの表情を見て口を閉ざした。
「フィガロ、打ち止めちゃんのお腹には赤ちゃんがいるんだから、そっとだよ」
「うん」
「わぁ……」
温かな重みに、幸福感を感じる。打ち止めは遠慮して背筋を伸ばしている子供を抱きしめた。
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