199:ブラジャーの人[saga]
2012/04/04(水) 03:21:16.78 ID:pBo30ojn0
「行ったか……」
こうして、大きな演算式を組み立てるのは随分と久しぶりだ。しかし、いささかの狂いがあるかも、とは恐れない。
完璧だから<一方通行>だ。 精密が売りの<一方通行>だ。
一方通行は右足で地面を踏みしめる。大地が揺れた。
もう一回。間髪おかずに竜巻を起こし、緩んだ地盤に振り下ろす。本来は天に向かって登る竜巻だが、彼はそれを全方位に向かって『振るう』ことが出来た。
轟音に次ぐ轟音。もっともっと地下だ。深くなる穴に身を沈め、どんどん掘る。
数十メートルも撒き上げられた岩が頭上に落ちてくるが、途中で右へ左へ、前へ後ろへ弾かれるように飛んでいった。
それを免れて降ってきた岩も、一方通行の反射によって体には何の傷もつかない。
いきなりの地震と、地中から噴火のように吹き出す茶色と黒の岩。
散る火花のごとく弾けて投げ出される岩と粉塵の中、パタリロがいるかもしれないと、タマネギ達は悲鳴をあげた。
「あぁぁぁ〜こうなることは予想できたのに」
「まさかこんな大爆発な超能力だなんて!」
「落ち着け! まだ殿下があそこに留まっていると決まったわけじゃない!」
「馬鹿、殿下なら留まるどころか、一方通行さんの背後に張り付くぐらいのことをする!」
焦っても、とてもあそこへ近づくことなど出来ない。ただ、大爆発が収まるのを待つしかできなかった。
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