209:ブラジャーの人[saga]
2012/04/05(木) 23:52:18.26 ID:QOOU3FJl0
その頃、一方通行が自分のためにダイヤモンドを掘っているなどとは知らない打ち止めは……
「ふにゃ〜、カワイイカワイイ、ってミサカはミサカはフィガロちゃんを撫でくりうりうりしてみたり」
「あはは、お姉ちゃんくすぐったいよ。ゲームできないじゃないか」
「あ、ごめんね」
マリネラ宮殿の一角、日当たりのいいサロン。誰が弾くのかグランドピアノ。あと、今は誰も立っていないが、カクテルバーも備え付けられていた。
打ち止めは窓に近いソファで、またフィガロを膝に乗せている。一方通行の小言はあまり真剣に受け取られていないようだ。
無理もない、相手を普通の七歳児だと思っているのだから。
それを数メートル離れたテーブルから眺めるのは、マライヒとバンコランである。
子守を休業できたマライヒは、優雅にのんびりコーヒータイム。バンコランもそれに付き合っていた。
イギリス外交官護衛の任でマリネラに来ている彼だが、なにせ七年以上もの腐れ縁があるパタリロが国王の国だ。
交渉はバンコランを交えて、予定を三日も早く繰り上げて片付いてしまった。もしかして、国もそれを期待して任務が回された可能性もある。
「打ち止めさんのおかげで、マライヒもゆっくりできるな」
「うん。本人も喜んでくれてるみたいだし」
バンコランが行くなら自分も……、とついてきたマライヒ。馴染みもあるし、温かいし、霧の多いロンドンよりも過ごしやすい。
知り合って早々に仲良くなった女の子が息子の世話まで買って出てくれて、とても気が楽だ。
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