238:ブラジャーの人[saga]
2012/04/12(木) 00:30:17.61 ID:dkfFCynV0
ここはマリネラのとあるダイヤモンド鉱山……のはずれ。そびえる崖の向こう側こそが、採掘現場だ。
一方通行は若草が生えるその崖の前に立っている。現場じゃないので、周りには誰もいない。耳に当てた携帯端末からパタリロの声がする。
『全員退避させた。いつでも大丈夫だ』
「王様もちゃンと離れてるだろォなァ?」
『はいはい』
最初に訪れた第五鉱山の一件以来、こうしてパタリロの非難を確認しないと気が収まらない。携帯の通話を切り、一方通行は崖に向かってパンチを繰り出した。
ゴバゴバ どどどど
衝撃が土中を伝わり、三十メートル挟んだ向こう側から土砂が噴出する。溢れたその中に、ダイヤの原石が含まれているはずだ。
同じことを三発繰り返し、雨上がりの澄んだ空気に土埃の臭いが漂ってきた。崖向こうの採掘現場では、さぞひどい有様になっているだろう。
一方通行の携帯が鳴り、再びパタリロの声が。
『出ましたよ。いやいやタマネギ達が興奮しちゃって』
「ふン、こっちまで聞こえてる。戻ると面倒ォそォだな……」
『原石の採取はこいつらにまかせて、我々は次に行きましょうか』
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