510:ブラジャーの人[saga]
2012/06/08(金) 23:43:30.24 ID:pAa9APiK0
しん、と冷え込む二月末の朝。見上げた天井はいつもどおりだ。
一方通行はあくびをしながら上体を起こした。体と一緒に捲れあがった布団を手で直し、
横で眠る打ち止めが寒さで目を覚まさないように気を使ったのだが、
「んー、おはよ…、ってミサカはミサカは開かない瞼で朝のご挨拶をしてみたり。今日はあなた、早起きさんね……」
「おォ。ちょっと夢見てな」
「ほほう。どんな?」
一方通行が夢の内容を告げる前に、もぞもぞ動いていた打ち止めが、不意に静止して顔色を青に染めた。
冷気が入ってくるのにもかまわず、掛け布団を完全に取り払う。
二人の足元には丸くなって眠る愛犬と、シーツを濡らす水たまり。打ち止めの寝間着もぐっしょり濡れていた。
「……漏らしたンか?」
「ち、違う。たぶん破水だと思う」
「……」
「あ、なんかお腹もちょっと痛いかも」
「腹でも壊したのか」
「そうじゃなくて、陣痛かも」
「……予定日まであと十日もあるはずだが」
「初産はただでさえ遅れやすい、って聞いてたのにねぇ、てミサカはミサカはぁあ〜、イタタタタタ。これは痛いですぞ!」
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