過去ログ - とある未来の通行止め その3
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556:ブラジャーの人[saga]
2012/06/18(月) 00:48:02.40 ID:Fz6z8l7g0

煌々と光る照明などものともせず眠る打ち止めの目の下には、隈が出来ている。
一方通行もいつまでも仕事をおざなりにするわけにはいかないので、最近は事務所に出掛けて家を開けることが多い。

慣れない初めての子育てに、この若い母親はすっかり疲れていた。出来る限り育児、家事を手伝う一方通行だったが、
子育ての負担はどうしたって女性の方が大きい。

おかげで今年は花見どころか、四月十五日の打ち止め十八歳の誕生日さえ、ろくに祝ってやることができなかった。
「何が欲しい」と聞けば、「寝たい…」と、うつろな目で答えられたものだ。学園都市最強の能力を有効活用して、彼女に数時間の連続睡眠をプレゼントしたけれど。


(この調子じゃァ、式なンて当分無理かもな)

出産を終えたら、延ばし延ばしにしていた結婚式を挙げようか、と二人で相談していたのである。
しばらくすればそんな時間もできるだろう、と気楽に考えていた。何人もの赤ん坊を世話してきた病院スタッフが
「手のかからない子」と評した我が子なので尚更そう考えていたが、甘かった。


「ん〜。……すぅ」

(寝たな……。そォそォ、寝るのもオマエの仕事だ)

授乳やおしめ交換をしてやれば、こうして夜泣きも治まり、すぐ眠る。
護はたしかに手がかからない方だと思う。それでも、一時も目が離せない子育ては大変だと身にしみた。



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