15:1[saga]
2012/03/13(火) 02:39:30.79 ID:LvNuVMw7o
気に止める様子もなく、ゆっくりと歩んでいたが、ピタリと止まった。
猿術師「どうしたの? 早くいかないと……」
妹「あのね、お猿さん……お兄ちゃんの事、本当に殺さないと駄目なの?」
猿術師「ああ、じゃないと取られちゃうんだよ、嫌だよね?」
妹「……兄さんを殺す程ではありませんよ」
妹の声は変わらないはずなのに、猿術師は戸惑った。
しっかりとした足取りで、妹が猿術師へ近寄る。
妹「残念ながら貴方程は愚かではありませんので。下等なお猿さん?」
猿術師「何を……どうして、私の術が……」
妹「分かるはず、ないですよ。貴方にはそれ程の知能がありませんから」
猿術師「オレ……チノウ……? オレ……オレ……?」
わずかに残った知性とそれを理解出来ない脳。
猿術師が苛立ちから頭を掻き毟る。
猿術師「オレ、オレ、オレダレ? ダレオレ? ダレオレオレダレオレダレダレダレ?」
頭部の毛が抜け、皮が破けようとも猿術師は手を止めない。
妹「哀れですね。……兄さんは大丈夫でしょうか」
その頃兄は……
兄「ひぃー!! 三人がかりだなんてずるいぞ!!」
羽猿「ずるい? 勝てば良いんだぎゃ!!」
針猿「死ね!!」
兄「うおっ!! あ、あぶねー!! お前の尻尾はなんだよ!!」
針猿「俺の尻尾には毒があるんだ!! すげーだろ!!」
兄「うおー!! あぶねー!!」
羽猿「おらっ! よそ見してるんじゃねーぎゃ!!」
兄「うおー!! 空から飛んで来るとか卑怯だろ!!」
炎猿「燃え尽きろ……!!」
91Res/125.93 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。