過去ログ - 友人とDTBのリレー小説書いたったwwww
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FY
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2012/03/15(木) 20:11:14.47 ID:tm1H51fco
「ひはっ……ひはっ……」
男は、焦っていた
額からは大粒の汗が流れ、呼吸がうまくいかない、手が震え、その腕で女を抱き寄せ、そのこめかみに重厚な鈍い輝きを放つーー
拳銃を、突きつけていた
女性のほうも今にも泣きだしそうな表情で、カタカタと歯を鳴らしている
なぜ自分がこんな目に合っているのだろうか、いつも通りの日だったのに、朝起きて、学校に行って、友達と話して、家に帰る
平凡な、けれど確かに毎日が楽しい日だったのに……どうして?
全ての原因は、あの銃声だった
聞きなれない乾ききったその音を不思議がって路地裏に入ってみたらーーそこに、血まみれで倒れる男の人がいた
そしてそのそばに……漫画や映画でしか見たことがないような、拳銃を持つ男が立っていた
その体を……青白い光で輝かせる男が、立っていた
光の正体はすぐに分かった、ほぼ毎日のように放送されるニュース
その中で論じられる『契約者』と呼ばれる超能力者が放つ――
「ランセルノプト……放射光……」
あるいは、彼女がすぐに踵を返してその場から逃げれば、このようなことにはならなかったのかもしれない
必死に逃げて、どこか近くの建物に逃げ込めば、こうしてこの男に捕まって今にも終わりを迎えそうな自分の命を心配する羽目にならなかったのかもしれない
だがその時の彼女の頭の中にはーー逃げるという選択肢がなかった
月光のように薄暗い路地と、赤黒い液体と、彼女の体を照らすそのまばゆい光を……『美しい』と思ってしまったからだ
そこからはあっという間、血走った目の男に無理矢理引っ張られ、近くの廃ビルに連れ込まれて……この状況だ
男の荒い息が彼女の髪に吹きかかる、窓からは時折赤色の光が入ってくる……警察がこのビルを包囲しているのだろう、と彼女は思う
そしていよいよ、自分は殺されるのだろうとーー諦めにも似た覚悟が生まれた
「きゃっ!?」
突然、なんの脈略も無く男が彼女の短髪を掴んだ
「っ痛い痛い痛い痛い!!!」
ブチ……ブチ……と、何かが千切れるような音が彼の頭を響かせて……しばらくした後に痛みは消えた
「……ひっ!?」
彼女の視線のその先には……男の手があった、彼女の髪を握る、その右手が。
「う……あ……あ……っ……!」
男は、喰らっていた。
むしゃむしゃと、喰らっていた。
むしり取った……彼女の髪を。
「そ……それが……あな、あなたの……たい、か……ですか?」
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