過去ログ - インデックス「当方に迎撃の用意あり」
↓
1-
覧
板
20
236
:
人の上に咲く花など
[saga]
2012/05/12(土) 23:00:22.95 ID:3keTbGPj0
得も言われぬ視線を首筋のあたりに感じて、思わず振り返る。
しかし猫の子一匹見当たらず、インデックスは軽く首を傾げてから深呼吸をして、目の前のドアノブに手をかけ直した。
両開きの大扉は一見して真新しく、大した音も立てず左右に別たれる。
踏み入れた脚を十歩ほどで一旦止めて、ゆっくりと周囲を見回した。
正面に掲げられた立派な十字架。
祭壇の奥の内壁で微笑むステンドグラスの聖母。
一度に五十人ばかりしか入場できないであろう、小じんまりとした聖堂。
構成物のすべてが、科学の最先端を標榜する街並みに似つかわしくない、そんな空間。
しかしインデックスは不思議と、鼻孔をくすぐる蝋の仄かな香りに安らぎを感じていた。
「ようこそ、当教会へ。本日はどうされましたか」
祭壇の脇で書物をめくっていた司祭が、柔和な笑みで出迎えてくれた。
黒一色の神父服と、教会の高い天井に見劣りしないだけの長身が印象的な男性。
ただ彼の相貌そのものは、実に没個性的な代物だった。
目線を少しでも離せば次の瞬間に、どんな顔立ちをしていたか、あっさり失念してまいそうでさえある。
だからインデックスは、彼から片時も目を離さなかった。
ねめつけるように挑戦的な眼差しを、神父は変わらず微笑みながら受け止めていた。
「ステイルはそんなに、私と“顔”を合わせたくないの?」
<<前のレス[*]
|
次のレス[#]>>
280Res/225.65 KB
↑[8]
前[4]
次[6]
板[3]
1-[1]
l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。
過去ログ - インデックス「当方に迎撃の用意あり」 -SS速報VIP http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/kako/1332078297/
VIPサービス増築中!
携帯うpろだ
|
隙間うpろだ
Powered By
VIPservice