過去ログ - 少女「それは儚く消える雪のように」 2
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三毛猫
◆E9ISW1p5PY
[saga]
2012/04/27(金) 18:41:46.34 ID:pjq4rUFZ0
二体のバーリェが、操縦桿を握りこんで
歯を強く噛んでいる。
その後ろ姿を見て、絃はハッとして、
小さく呟いた。
「……桜……?」
「どれだけバーリェを犠牲にしようと!
どれだけ人間を殺そうと!
新世界なんて訪れない……
そんなものはどこにもない!
死んでしまった人はもう生き返らないし、
世界はそれでも回っていくんだから!」
雪が悲痛とも言える声で叫ぶ。
戦劫王の金色の球体が徐々に膨張していく。
大恒王を囲んでいた新世界連合の人間達が、
歪み始めたその空間に吸い込まれ始めた。
絶叫しながら消えていく人影を見ながら、
雪は絆に支えられながら声を張り上げた。
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