過去ログ - 魔法少女隊R-TYPEs FINAL2〜ティロ・フィナーレの野望〜
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343: ◆HvWr2kWl99Dz[saga sage]
2012/05/01(火) 00:42:00.74 ID:FBqFyGYQ0
夢を見ていた。
夢など見るはずもないのに、それはまるで夢のように彼の脳裏に浮かんでいた。

それは、果たして作り変えられた世界なのだろうか。
それとも、この世界とは別の可能性の世界なのだろうか。
いずれにしても、彼が夢見たその世界は、今この世界とは近しくも遠い姿をした世界であった。

契約と願いが魔法少女を生み、それが魔女を生む。
そうして生み出されたエネルギーが、宇宙を存続させるための糧となる。
非常に効率的で、それでいて完成されたシステムだった。
そのシステムを維持させることこそが、彼の、否彼らの存在意義であったのだ。
夢の中の世界では、非常にそのシステムは上手くいっているように見えた。
それはまるで、バイドという脅威に晒される以前のこの世界のように。

その時彼の胸中に浮かんだ感情は何だったのだろう。
憧憬じみたものだったのだろうか、それともそれは後悔、あるいは悔恨のようなものだったのか。
とにかくそこには、悲しみじみた感情が薄暗く広がっていた。

その世界にも同じように、彼らが生み出した無数の魔法少女と魔女がいた。
そしてこの世界にも、彼にとっては忘れることのできない魔法少女達がいた。
彼女達は魔法少女の運命に抗うことなく、次々にその身を散らせていく。
けれど、全てが終わろうとしていたその最後の最後でまたしても彼女が、鹿目まどかが全ての条理を覆したのだった。

それは最早、宇宙の再生にも等しい行為。
彼がどこまでも望み、そして決して果たすことのできなかった夢。
その夢を、彼の夢を阻んだ当の鹿目まどかが実現させていた。それが、余りにも悔しくて、悲しくて。
彼は、思わず叫んだ。


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