過去ログ - 魔法少女隊R-TYPEs FINAL2〜ティロ・フィナーレの野望〜
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426: ◆HvWr2kWl99Dz[saga]
2012/05/14(月) 21:07:29.71 ID:gWRHFoUH0
「う……ぅ、ぅあぁぁぁっ!」

そこは地獄だった。
見渡す限りに広がるのは、まるでこの世に存在するありとあらゆる苦痛をその一身に受け
その身と魂を焼き尽くされて朽ち果てた亡骸の群れだった。
彼らの無残にも歪められたその表情はまさに正視に堪えぬほどの惨状であり
あるいは歪みあるいは崩れ、そしてあるいは焼け爛れたその口から漏れる声は、断末魔の声と
そして身の毛もよだつほどのおぞましい怨嗟の声だけであった。

さやかは、ただ一人その光景を見つめていた。
目を逸らすことはできなかった。そして例え目を逸らそうともおぞましきその声は
容赦なく彼女の鼓膜をすり抜け、その体の奥底に存在するであろう精神を傷つけ続けていたのである。

それは間違いなく夢だと、さやかは知っていた。
なぜならその光景は、彼女にとっては忘れようもない光景であったのだから。
それはかつてのアークにおいて、希望が転じて絶望となり、多くの人間の死を孕んだ箱舟となった場所において。
単身まどかを助けるために乗り込んださやかを待ち受けていた、まさしくこの世の地獄のような光景だったのだから。

そう、それは既に起こってしまった過去の出来事。
けれどその時心に深く刻まれたその傷は、約半年の時を経た今でも、さやかを苦しめ続けていたのだった。


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