過去ログ - 魔法少女隊R-TYPEs FINAL2〜ティロ・フィナーレの野望〜
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475: ◆HvWr2kWl99Dz[saga sage]
2012/05/19(土) 21:37:06.17 ID:HIbkqNWz0
「やあ、どうやら落ち着いたようだね、イジマール中佐」

交渉のため、ゲイルロズに付属するコロニーへと赴いていた九条から、スキタリスへと通信が入った。
スキタリス及び地球連合軍から差し向けられた護衛艦隊は、ゲイルロズに接近することを拒み後方へと下がっていた。
そしてガザロフ少佐率いる部隊のみが、九条の護衛についていたのである。
戦力が分断されてしまった以上、革命軍との戦力差は最早圧倒的であり
これ幸いと革命軍が牙を剥けば、容易く攻略艦隊は総崩れとなってしまうだろう。

そんな状況だからこそ、その通信が誰にも妨げられることなく届いたことは、些か不思議なことではあった。
時がその激昂を鎮め、ようやく冷静な思考を取り戻したイジマールにとっても、それは不思議なことであった。

「九条……まだ生きていたのか」

そして例え激昂が収まったとは言え、一度突きつけた矛先を下ろすことは用意ではない。
それが狂信者の矛であれば尚更で、イジマールの口調は敵意と殺意の混じったものだった。

「ああ、ぴんぴんしているとも。色々と君に伝えなければならないことがある。
 恐らくこうして通信を送るのもこれが最後だ、よく聞いて欲しい」

変わらぬ調子の九条の言葉、けれどその言葉の意味するところは果たして何か。
恐らくそれが、彼の最後の言葉となるのだろう。すぐにそれを理解し、イジマールは唇の端を吊り上げて笑った。

「そういうことなら聞きましょうとも。敵の口車に乗せられて死ぬこととなった哀れで愚かな男の最後の言葉だ。
 しっかりと最後まで聞き届けましょうとも。九条提督?」

「……いや、まあいいか。とりあえず攻略艦隊の指揮権を君に譲渡する。
 引き続きグリトニルの攻略を頑張ってくれ」

やはり本格的にこの男とは話が合わない。
相手が狂信者であるのなら尚のことである。九条は内心辟易としながらも言葉を続けた。

「もっとも、そう容易くはやれないだろうがな」


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