過去ログ - 魔法少女隊R-TYPEs FINAL2〜ティロ・フィナーレの野望〜
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◆HvWr2kWl99Dz
[saga sage]
2012/05/24(木) 22:21:27.62 ID:9hN7J/Nz0
長い時間が過ぎていた。
これほどの長い時間、誰かと言葉を交わしたのは、まどかと一緒に病院にいた頃以来だとスゥは思った。
夜は更に深まり、日付もいよいよ変わって久しく。
それだけの長い時間、スゥは静かに言葉を紡ぎ続けていた。
まどかとの出会い、そして離別。
英雄の複製品として作られた自分が、背負うこととなった戦いの定め。
まどかの死と、太陽系を救った奇跡。そしてその果てに、最後の戦いの場における再会。
そして、再びの離別。
一つ一つの思い出を、白地の多い記憶のキャンパスに、何より鮮やかに刻まれた記憶の一つ一つを
振り返りながら、静かにスゥは語った。
それを聞いていた二人は、時折顔を顰めたり、何かを言いたげにしていたが
それでもその話が終わるまでは、口を閉ざしてただただ耳を傾けていた。
「……それで、私だけが地球に戻ってきたんです。
でも、まどかはまだ宇宙の彼方で生きているはずなんです。
どこかも分からないくらい、ずっとずっと遠いところで。……信じられないですよね、こんなこと」
そして最後の言葉を告げて、スゥはすっかり冷めたココアを飲み干した。
冷めていてもそれでも甘いココアは、話し疲れた喉を癒してくれた。
「……それが本当なら、あんたは世界を救った英雄ってことになるんだな。
あの時戦ってたのは、あんただってことなんだね」
そう、彼の英雄がバイドの中枢と戦ったあの姿は、全ての人類の知るところとなっている。
だがそれも、インキュベーターの裏切りにより、一度敗北の憂き目を見たその時までだけで。
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