過去ログ - 魔法少女隊R-TYPEs FINAL2〜ティロ・フィナーレの野望〜
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◆HvWr2kWl99Dz
[saga sage]
2012/05/24(木) 22:27:10.50 ID:9hN7J/Nz0
「どうやら近くの人たちが気付き始めたみたいだ。急いだほうがいいかもしれないね。
見られたらきっと困るだろうし、君は早く行ったほうがいい」
嗚咽に混じって、人の声やどうにも騒がしい気配が近づいてきた。
「しばしの別れ、だな。あたしはこっちで頑張るから、あんたも頑張ってくれよ。
……まどかを頼んだよ、スゥ」
最後にもう一度スゥを抱きしめて、詢子はその身を離した。
頷き、スゥは涙を払って手を上げた。それに応えてグランドフィナーレが更に接近する。
キャノピーが開き、まるで機体から湧き出るかのように生じたタラップに、スゥは身を躍らせた。
たちまちの内にその身はキャノピーの中に吸い込まれ、そして、グランドフィナーレは飛び立っていく。
そして鋭い光の尾を引いて、その姿はたちまち空の彼方へと消えていった。
「……行っちまったね」
「そうだね、ママ。……なんだか楽しそうだね。久しぶりに見た気がする、そんなママの顔」
確かに知久が見た詢子の横顔は、力強くそして不敵な笑みを浮かべていた。
それはあの日まどかと別れて以来、一度として見ることのない表情だった。
「そりゃ笑いたくもなるさ。まどかはきっと帰ってくる。そうしたら家族が増えるんだ。
まったく、これはあたしも頑張らなくちゃいけないね。新しい家族に、みっともないとこ見せられないだろう?」
その胸に宿った僅かな希望。それは僅かでも力強く、詢子の中で輝いていた。
そこにはもう、絶望に日々蝕まれ続けるだけの女性の姿はなかった。
「さあて、うるさいのが来る前にさっさと退散しよう。そして、ゆっくり寝よう。
今日はゆっくり寝られる気がするよ。……それとも、一緒に寝ようか、知久」
思わずぞくりとするほど艶のある声で、詢子は知久の名を呼んだ。
まどかが物心つくようになって以来、そんな風に呼ぶことは滅多になかったのだが。
「参ったな。まどかが帰ってくるころには、もう一人家族が増えることになるかもしれない。
……行こうか、詢子さん」
そして二人は連れ添って、押し寄せようとする人並みより早く家へと滑り込んだ。
以降の鹿目家の家庭事情については、恐らく特筆すべき事項ではないだろう。
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