過去ログ - 魔法少女隊R-TYPEs FINAL2〜ティロ・フィナーレの野望〜
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◆HvWr2kWl99Dz
[saga sage]
2012/03/29(木) 19:13:39.66 ID:fPUg4sSN0
しばしの静寂、そして。
「……そろそろ、通信も繋げられなくなるわね」
サイバーコネクタを通じて、弱弱しく伝わる機体からの警告を受け取って、織莉子が言った。
既にどちらの機体も限界で、これが普通のパイロットであればとっくに生命維持が不可能になって死んでいる。
そしてついに、互いの間に通信を繋ぐことすらも困難になり始めていた。
「そう、だね。……ああ、もう。どうしたんだろうな」
そうなれば、その後に待っているのは絶対の孤独。
センサーの類も死んでしまった機体は、人にすれば植物状態のようなもので。
たとえ敵が来たとしても気付けない。次の瞬間には死んでしまうかもしれない。
孤独と恐怖が、キリカの声を震えさせていた。
それは間違いなく、絶望へと彼女を導いてしまう。そうなればどうなるか、想像するのは容易だった。
そんなキリカの声を聞き、織莉子もまた自分の身の内に巣食い始めた恐怖を自覚しながら。
それでも、静かな声で言葉を告げた。
「大丈夫よ。たとえ言葉が聞こえなくて、姿が見えなくても。私は貴女の側に居る。
だからお願い、キリカ。貴女もずっと私の側にいて。……私を、一人にしないで頂戴ね」
けれど、ほんの一瞬。最後のその一言だけは、どうしても声が震えてしまった。
その声に、キリカも織莉子の恐怖を、孤独を知って。
「……ふふ。織莉子は私のことを散々言うが、織莉子だって随分と寂しがりやじゃないか。
ああ……でも、うん。わかった。私はずっと、織莉子の側にいる。これからもずっとだ」
笑いながら、キリカは声を返した。
けれど、織莉子の声は返ってこなかった。
どれだけ待っても、そこにあるのは暗闇と静寂だけだった。
「……織莉子。必ず……また」
そして、キリカの意識も闇へと沈んでいった。
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