過去ログ - ペルソナっぽい悪魔設定のシェアワでお話を書いてみたい人集まれ
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◆2PnxfuTa8.
[saga]
2012/03/31(土) 08:30:28.47 ID:dv88x3wq0
【ブギーマンは笑ってる 第十二話「円卓」】
「それではこちらでございます」
車を駐車場に停めた後、三人は屋敷の中に通される。
そこかしこに鎮座する水晶や大理石の彫刻
筋骨逞しく今にも駆け出しそうな馬の群れや
羊の頭に蝙蝠の翼を持つ悪魔
そして伸びをする猫までもが居る
今にも動き出しそうで、それこそ生きたまま宝石にされたような風だった。
「妲姫、連れてきたわよ」
屋敷の奥にある大きな部屋。
妲姫は大きな円卓の前に座っていた。
丁寧に結われた長い黒髪、黒曜石をはめ込んだようにつぶらな瞳と石英のような白い肌。
唇は赤く輝き、ニコリと笑った時に見える歯は白く輝いていた。
椅子から立ち上がると小柄ながらもメリハリのあるボディラインが明らかになる。
着ている豪華な白のドレスは所々に狐と太極の意匠をあしらっているのが彼女に良く似合う。
ガラスの靴から惜しげもなく晒される足は良く手入れされているらしく美しいの一言以外に無い。
「あらありがとう朔夜ちゃん、お久しぶりですわジャックさん
そして初めまして聖職者狩りのブギーさんと……」
「この子はクライン、私の助手です」
「ありがとうございますブギーさん
初めましてクラインちゃん
私の名前は妲姫、九尾の悪魔憑きでございます
今回悪魔憑きの王の座を継承することになりましたが未だに力不足ですのでこうして皆様にお手伝いしに来て頂いたところです」
「王の御力になれるのならば光栄というものです」
「そうだぜ妲姫、お前は俺より強いんだからもっと堂々としていろ」
「先輩方にそういって頂けるなんてこちらこそ光栄ですわ
……さて、本題に入りましょうか
朔夜ちゃん、例のものを持ってきて」
「笑点じゃないんだから……もう持ってきているわ
はい、呪い避けのアミュレット」
そう言って朔夜はどこから取り出したのか小さな木箱を差し出す。
「ありがとう、朔夜ちゃんはいつも気が利くよね」
朔夜の手を握って微笑む妲姫。
朔夜の表情が一瞬だけ緩む。
「どういたしまして」
しかしすぐにそれを隠してできるだけそっけなく答える。
その様子を見て妲姫はニコニコと笑う。
「それではここからは込み入った話になります
クラインちゃんには朔夜と一緒に別の部屋で遊んでいてもらっていいですかね?」
「構いません、彼女も駆け出しながら魔術師ですし……
できれば朔夜さんに修行を見ていただきたいくらいですよ」
「あら、それは良かった
じゃあ朔夜ちゃん、クラインちゃんをお願いするわ」
「分かったわ、任せてちょうだい」
「さて、それじゃあ本題にさっさと入ろうぜ
俺はまだるっこしいのは嫌いでねえ」
「ええ、勿論」
妲姫はそう言って再びニコリと笑った。
【ブギーマンは笑ってる 第十二話「円卓」 続】
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