過去ログ - ペルソナっぽい悪魔設定のシェアワでお話を書いてみたい人集まれ
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248:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/05/21(月) 17:11:24.42 ID:fxP+1H1go

 そこで夜を明かすつもりかね。
 声がして私は目を開けた。
 上体を起こして見回すと、ちょうど右後ろの方向に老人がいた。
 背筋がしゃんと伸び、小柄ながらもしっかりとした体つきをしている。
 しかし、それ以外は何のことはない、ただの老人だった。この山を下りた町にでもいれば、特に注目することもないだろう。

 とはいえ私が見間違える訳もない。
 だいぶ体躯が小さくなっていたが、"彼"だとすぐに分かった。
 その事で声を上げる前に、老人が口を開いた。
 ついて来なさい。人間に会うのは久しぶりだ。
 言って、背を向け歩きだした。

 たどり着いたのは、雨避けに布が張り渡してある程度の粗末な野営場だった。
 座れ、と彼に言われて、私は従った。
 人間に会うのは、久しぶりだ。彼は先ほどの言葉を繰り返した。無表情だったが、どこか感慨深げだった。
 私はいろいろ彼に聞きたいことがあったのだが、順番を考えているうちに彼はそこにあった毛布をかぶって眠ってしまった。
 あまりに違和感なく眠りの世界に入られたので、私は呆気にとられた。
 起きる気配がないので、仕方なく持ってきた缶詰を一つ空け、私も横になった。
 とにかく。私は彼に会うことができたのだった。



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