過去ログ - ペルソナっぽい悪魔設定のシェアワでお話を書いてみたい人集まれ
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83: ◆HvWr2kWl99Dz[saga sage]
2012/03/30(金) 01:19:36.64 ID:/gtP5Ro00
【夜は短し屠れよ乙女】

とある場所、とある街角、とある夜。
その静かな街は、夜の間だけ戦場へと変わる。
いつからそうだったのかは知らない。
少なくとも、自分が“それ”になってからは、夜のこの街は常に戦場だった。

……いや、それはきっと違う。
きっと私の行くところ全てが、戦場へと変わっているだけなのだろう。
そうでなければどうしてこう、散歩の度に奴らと出くわさなければならないのだ。
それが誰の思惑なのか、誰の仕業なのか。そんなことはさっぱり分からないけれど。

「……常在戦場。それはそれで上等かな」

肩にかかった長い髪、腰まで伸ばした黒髪を、ぱっとこの手で払って垂らす。
切れ目がちの瞳をぱっちり開いて、望む闇をぎろりと見据え。

「人生って名前の退屈しのぎ、これくらい楽しいほうがいい」

手前味噌だが、割と自慢のこの身体。髪も手足もすらっと長い。
身体つきも十分女らしいし、胸だって大きい。
ちょっとばかり背が高すぎるのが玉に瑕と、風の噂で聞いた気がする。

なんだか思考が逸れた気がする。
ぐっと握った手を離し。また握ってはまた離し。それを何度か繰り返す。
何かが近づいてくる、気配を感じる。問題は無い、迎え撃つ術はある。

「なんだって、まぁ。こんなことが楽しいんだろうね。私は」

くく、と小さな笑みが唇の端から零れた。
そう、楽しいのだ。楽しくて楽しくて仕方がない。
これから始まることが、互いの存在をかけた命の交錯、シンプルに言うなら殺し合いが。
力を技を、魂を尽くして生死の狭間で凌ぎあう。その愉悦が、それへの期待が、身体中に溢れている。

だから、闇の向こうから現れたそれを見つけた時、私は唇の端が吊り上るのを堪え切れなかった。


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