過去ログ - 結標「貴女なんて」白井「大嫌いですの」
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[saga]
2012/03/25(日) 15:50:58.19 ID:twYxcOcAO
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白井「がはっ……」
三冬月の夜空より降り注ぐ灰雪、吐き出される白い吐息と赤い吐血、そして外気以上に体温を奪う出血。
ブレザーに仕舞われた近未来的なデザインの携帯電話を食い破って腹腔に突き刺さる鉛玉が銃創を刻む。
ペットボトルのキャップを閉め忘れて倒したかのようにドクドクと流れ出す出血が路地裏に広がって――
白井「はあっ……はあっ……」
白井を中心に生み出された血の海にだけ雪が積もらない。アントン・チェーホフの一節を諳んじるように。
流し過ぎた血は体温を失わせ、手足に寒気とは異なる震えをもたらし、今や白井の生命を奪いつつあった。
常ならばスキルアウトぐらいしか寄り付く事のない、卑猥な落書きだらけの路地裏の壁に身を凭れかけて。
白井「(最後の記憶がお姉様の微笑みなどと……どうやら死に際のようですわね)」
この路地裏で何やら怪しげな取引をしていたと思しき一団を確保せんとし、物影に潜んでいたメンバーから受けた銃撃。
ポケットの携帯電話が盾にならなければ即死していたかも知れない。だが、それすらも時間の問題である事を白井は――
新入生A「お、おいこいつ風紀委員だぞ」
新入生B「ちっ……面倒臭えな。警備員じゃないだけマシだが」
新入生C「さっさと片付けちまおうぜ。どの道見られてんだし」
たった今自分を撃った男が突きつけて来るパームピストルを前に悟る。
射撃の正確さ、反応の速度から見るに彼等は『プロ』である事までも。
常日頃校内で揉め事を起こす能力者(がくせい)とは全く違う犯罪者。
最近こうした『新入生』崩れの暗部、『落第生』とも言うべき者達……
彼等による犯罪の増加が学園都市内でも問題になっていたが時既に遅し
新入生A「悪く思うなよ、風紀委員さん」
奈落を思わせる銃口、血溜まりに沈む自分、激痛のあまり能力を発動させる事さえ覚束無ぬまま白井は想う。
数日前に御坂が浮かべていた微笑み、自分には決して向けられる事のない表情、そしてそれらを前にして――
白井『――……おめでとうございますの!お姉様!!』
色褪せた造花の花束のような笑みで後ろ向きの祝福を捧げ、『お姉様』の知る『白井黒子』の微笑みを演じきった自分の姿を。
――――――時間は数日前に遡る――――――
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