過去ログ - さやか「黄金の……狼……」 牙狼―GARO―魔法少女篇 第二夜
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168: ◆ySV3bQLdI.[ saga]
2012/04/30(月) 01:59:29.71 ID:riuFgEhho

 命の提案にまどかは迷う素振りを見せたが、やがて躊躇いがちに頷く。
 そして鞄を持って帰ろうとするところを、マミが呼び止めた。

「ねぇ、鹿目さん。最後にひとつだけ聞いていいかしら?」

「はい?」

 マミは振り向いた彼女の顔、その眼をじっと見つめる。
くりっと大きく、まだ純粋で穢れを知らない円らな瞳を。
 見ていると、形容し難い複雑な感情――敢えて言葉にするなら保護欲と嫉妬が混ざったような――を覚えたが、
それらは胸の奥に沈めて質問はひとつ。

「あなた、願い事はある? もしも魔法少女になるとして、キュゥべえに頼みたい願いが」

 真摯なマミの眼に射竦められたまどかは硬直し、目線だけを忙しなく彷徨わせる。
 それから三十秒ほどして、ようやく想いを口にした。

「え……っと……。正直、まだ……わかりません……」

 自信なさ気に絞り出した声は、三十秒も待たせた答えがこれで申し訳ないと、
秘めた謝罪の念を感じさせた。
 が、マミは責めない。元より予想できていた。
 むしろ、突然質問されてすぐに答えられる方がおかしい。そっちの方が真剣さを疑う。
迷うのは、事の重大性を正しく受け止めている証拠だ。

「そう……よく考えてみてね。
魔法少女になれば、今日の私みたいになるかもしれないことも念頭に置いて」

 迷える後輩に的確なアドバイスを送る為に。
 彼女たちが頼れる先輩だと、誇れる自分で在る為にも。



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