過去ログ - さやか「黄金の……狼……」 牙狼―GARO―魔法少女篇 第二夜
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191: ◆ySV3bQLdI.[ saga]
2012/05/11(金) 02:47:10.21 ID:Lb8eNkgno

「私の方こそ……是非……お願いします」

 恥ずかしくて返事は途切れ途切れ、目線も下がっていく。
すると、またしても頭に柔らかい感触。しかも、さっきよりも強く。
 なのに不快感は欠片もなかった。

「もう! 可愛いわね、あなたってば! ほんと、食べちゃいたいくらい」

「ちょっ、夕木さん!?」

 戸惑いの声にも構わず髪を掻き撫でる勢いは増し、マミが顔を上げると、覗き込む大きな瞳と目が合った。

「せっかく仲良くなれたんだから、命って呼んでほしいな。私もマミちゃんって呼んでいい?」

「は、はい……命……さん」

「ありがとう、マミちゃん」

 たったそれだけのやり取りが、涙が出るくらいに嬉しくて。マミは泣きそうになるのを必死に堪えるだけで精一杯だった。
 みっともないところを見せたくない。でも、もし泣いたとしても、きっと彼女は泣き止むまで抱き締めてくれる。
そしてまた涙が流れてしまうのだ。
 胸に溢れる喜びと安堵を噛み締めながら、マミは思っていた。

――私を褒めてくれる。労ってくれる。包んでくれる。
私の帰る場所。私がずっと求め続けてきたもの。それは多分……――

 もしかしたら、彼女がなってくれるかもしれない。
高望みだと知りながら、マミは更なる期待を抱かずにいられなかった。



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