過去ログ - さやか「黄金の……狼……」 牙狼―GARO―魔法少女篇 第二夜
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240: ◆ySV3bQLdI.[ saga]
2012/05/21(月) 02:25:46.77 ID:OuKAohIbo



 閑静な住宅街。家々には明かりが灯り、美味しそうな夕食の匂いや団欒の声が流れてくる。
しかし、たまに車が通るだけで、道を歩く者はいない。
 いや、一人――ツインテールを揺らしながら、小走りで駆ける少女がいた。

「弱ったなぁ。すっかり遅くなっちゃった……」

 はぁ、と息を吐いて、歩を緩めたまどかが独りごちた。
 今日は学校が終わってからマミの自宅へ。そこで鋼牙とマミから説明を受け、魔女退治に同行。
更に近くの喫茶店で知り合った命とお茶、と夕方から流されるままに過密なスケジュールをこなしていた。

 だというのに。
 魔女退治が終わった時点で日は暮れていたのに、ついマミが心配で長居してしまった。
 命との会話が楽しく、居心地が良かったせいもある。
 母とはどこか似ているようで違うが、かっこいい大人の女といった印象で、まどかも少なからず憧れを感じていた。

 加えて魔女の潜んでいた廃ビルが、市内でもあまり馴染みのない場所だったのだ。
地理に明るくないまどかは散々苦労し、どうにか知った街並みまで帰ると、まだ余裕があると思っていた時間はとっくに過ぎていた。
 家に連絡を入れようにも携帯の電池は切れていて、つくづく運がない。

 多忙な母も普段なら帰っている時間。連日、連絡もなしに遅くまで帰らないとなれば、特大の雷が落ちるのは間違いない。
それだけならまだいいが、もし非行を疑われたり、或いは捜索願なんて大事になったら――。
 嫌な想像を振り払うように、まどかは激しくかぶりを振った。

「う〜、やっぱり急がなきゃ! 早く帰らないと、パパとママが心配しちゃう!」

 そうして再び走り出したまどかの目が、暫くして脇道に逸れる。



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