過去ログ - さやか「黄金の……狼……」 牙狼―GARO―魔法少女篇 第二夜
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◆ySV3bQLdI.
[ saga]
2012/05/28(月) 03:05:13.95 ID:JqNzRaySo
「俺も本気で答えた」
彼はそう言うが、では他にどんな意味があるというのか。
まどかは訳もわからず混乱していた。頭の中はグシャグシャで、堰を切った感情が溢れて整理がつかない。
「酷い……っ」
言ってしまった直後、あっ――と思わず口をついて出た言葉に驚き、まどかは押し黙る。
それでも鋼牙は足も止めず、表情ひとつ変えない。
自分では何をしようが彼を揺らせない、影響を与えられないのだと思い知って、また切なくなる。
もう彼の隣にはいられなかった。
気付けば裏道も終わり、また明るい住宅街に出ていた。家までは2,3分といったところか。
まどかは鋼牙の前に勢い良く走り出る。
「近くなのでここからは一人でも帰れます、ありがとう……ございました……っ」
顔を見られないようにお辞儀をするなり、反転して駆け出す。
ずっと堪えているつもりだったが、振り返り際、潤んだ瞳から涙の滴が飛んだ。
きっと鋼牙にも見られただろう。
だというのに。
やはり背後からは声も足音も聞こえてこなかった。
何故だかわからないけど、それが無性に悔しくて悲しかった。
それからまどかは休まず、振り返らず、家路を急いだ。
「ただいまっ――!」
玄関を開け放つと素早く靴を脱ぎ、なおも走る。
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