過去ログ - さやか「黄金の……狼……」 牙狼―GARO―魔法少女篇 第二夜
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265: ◆ySV3bQLdI.[ saga]
2012/05/28(月) 03:05:13.95 ID:JqNzRaySo

「俺も本気で答えた」

 彼はそう言うが、では他にどんな意味があるというのか。 
 まどかは訳もわからず混乱していた。頭の中はグシャグシャで、堰を切った感情が溢れて整理がつかない。

「酷い……っ」

 言ってしまった直後、あっ――と思わず口をついて出た言葉に驚き、まどかは押し黙る。
 それでも鋼牙は足も止めず、表情ひとつ変えない。
 自分では何をしようが彼を揺らせない、影響を与えられないのだと思い知って、また切なくなる。
 もう彼の隣にはいられなかった。

 気付けば裏道も終わり、また明るい住宅街に出ていた。家までは2,3分といったところか。
 まどかは鋼牙の前に勢い良く走り出る。

「近くなのでここからは一人でも帰れます、ありがとう……ございました……っ」

 顔を見られないようにお辞儀をするなり、反転して駆け出す。
 ずっと堪えているつもりだったが、振り返り際、潤んだ瞳から涙の滴が飛んだ。
 きっと鋼牙にも見られただろう。

 だというのに。
 やはり背後からは声も足音も聞こえてこなかった。
 何故だかわからないけど、それが無性に悔しくて悲しかった。
 それからまどかは休まず、振り返らず、家路を急いだ。

「ただいまっ――!」

 玄関を開け放つと素早く靴を脱ぎ、なおも走る。


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