過去ログ - さやか「黄金の……狼……」 牙狼―GARO―魔法少女篇 第二夜
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◆ySV3bQLdI.
[ saga]
2012/06/11(月) 02:29:14.15 ID:tOv9yjbAo
直後、さやかは密かに肩を落とした。
長い付き合い故に知っている。彼は、この手の台詞をごく自然に、しれっと言ってのけるのだ。
つまり、深い意味はない。
いつからだろう。そんな言葉に期待してしまうようになったのは。
その真実に気付いて落胆するようになったのは。
彼の言葉や仕草に一喜一憂し、その度に馬鹿だと呆れる。
だが、さやかは慣れているだけあって立ち直りも早かった。軽い溜息ひとつで気分を切り替える。
「あんまり時間もないから手短に。はい、これ。恭介が前に言ってたやつね」
鞄から一枚のCDを取り出すと、ベッドの上に置いた。クラシックのアルバムである。
本当は他にもあったのだが、昨日は結局買いそびれてしまったので、これ一枚だ。
「うわぁ、ありがとう。これ聴きたかったんだよ」
喜ぶ恭介をさやかは見ていた。
湧き上がる気持ちの正体は、自分でもはっきりしない。
ただ、誇らしく微笑ましいような、それでいて悔しくもあり切なくもあるような――清濁混じり合った感情。
確かなことは、恭介が嬉々としてCDを開く様は、さやかが訪ねてきた時よりも遥かに嬉しそうだった。
「じゃあ、帰るね」
それを悟られまいと、さやかは立ち上がり、早々に帰ろうとするが、
「あ、待ってよ。せっかくだから少しだけ話していかないか?」
呼び止められて振り向いた顔は微かに笑っていた。
自分自身、本心では引き止められたかったことを否定できない。
軽い足取りでイスに座り直す。
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