過去ログ - さやか「黄金の……狼……」 牙狼―GARO―魔法少女篇 第二夜
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458: ◆ySV3bQLdI.[ saga]
2012/07/23(月) 02:47:59.34 ID:bSGNlsgYo

 マミは重い身体を引きずって教室に戻った。
 後輩たちの前では元気な振りをしていても、独りになると途端に気だるさが全身を蝕む。
 本当は学校なんて来たくなかった。虚脱感に身を委ねて、一日中寝ていたい気分だった。
だって、その瞬間だけは何もかも忘れられる。何も考えなくて済むから。

 なのに今、自分は学校にいる。
 真実を二人に伝えなければ――その一心でマミは登校していた。
 巻き込んでしまった彼女らの為にも。これ以上の自責の念を背負わない為にも。
 二人を、絶対に契約させてはならないのだ。

 決意は固めたはずなのに、未だ心の整理はつかない。
 怖かった。
 他人に説明することで、真実を客観的に見つめるのも。
 それを事実として受け止めることも。
 二人から嫌悪と恐怖の視線を向けられるかもしれないことも。

 だから時間が必要だった。説明の仕方を考える時間と、覚悟を決める時間が。
 その時間も刻一刻と過ぎていく。緊張は増すばかりだった。
午前中一杯を使って授業もろくに聞かず考えに考え、どうにか頭の中で台本はでき上がる。

 そして昼休み。彼女たちを誘うことで、覚悟はできた。
悩むのは充分過ぎるほど悩んだ。もう悩んでいても仕方がないと。   
 鞄を開き、粛々と次の授業の準備を始める。その時、ふと一枚のプリントが目に入った。
 
「しまった……」

 と呟き、マミは机に両肘をついて項垂れる。




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