過去ログ - さやか「黄金の……狼……」 牙狼―GARO―魔法少女篇 第二夜
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490: ◆ySV3bQLdI.[ saga]
2012/08/07(火) 02:49:12.32 ID:fZ6/9zuSo

「その人は今……?」

 恐る恐る、尋ねた。
 本当は聞きたくなかった。それでも、自分と彼の未来を暗示しているかもしれない。
そう考えたら、途中で止められなかった。

 命はさやかを見返し、穏やかに、けれど寂しそうに、また首を振った。
 命は一言も語らなかったけれど、それだけで何もかもわかってしまった。
 彼女の大切な人は、きっともういないのだ。この世界のどこにも。

「そんな大切な物、受け取れません……」

 さやかはテーブルの楽譜を、少し命の方に押し戻した。
 だが、命は楽譜に手を添え、強く訴えかける。

「いいえ、もし迷惑でなければ受け取って欲しいの。
私が持ってても仕様がないし、辛くもあるから。
彼を勇気付ける切っ掛けか、そうでなくても退屈しのぎくらいにはなるかなぁ、と思って」

「でも……」

 駄目押しとばかりに命は微笑んだ。優しく、蕩かすような笑顔で。

「その彼は夢に向かって頑張ってる。諦めずにリハビリを続けているんでしょう?
そして、あなたは彼を支えようと一生懸命で……。
そういう人を見るとね、何だかこう……背中を押してあげたくなるのよ」




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