過去ログ - さやか「黄金の……狼……」 牙狼―GARO―魔法少女篇 第二夜
1- 20
494: ◆ySV3bQLdI.[ saga]
2012/08/07(火) 02:57:36.36 ID:fZ6/9zuSo

「そうね……」

 命は言いながら、さやかに左手を伸ばす。
 さやかは本能的に危機を感じ、手を引っ込めようとするが、できなかった。
 彼女の眼が身じろぎひとつ許さなかった。
 命の左手が右手を包んだ、その瞬間――。

「〜〜っ!!」

 全身がゾッと寒気に襲われた。
 命の左手からは体温を感じられなかった。否、氷でも押し付けられたかのように冷たかった。
 左手の感触と、その異様さがさやかを震わせるが、寒気の原因はそれだけではない。
彼女の異質な雰囲気は全身から発されているのだ。
 
「綺麗な手ね……」

「あ……の……夕木さん……?」

 氷の手が右手の皮膚を滑る。
 声が震えているのは寒いから? 
 違う、と頭より身体が理解していた。

「知ってる? どうかしら……でもまぁ、ある意味では知ってると言えないこともないわね」

 この感覚には覚えがある。つい一昨日に味わったばかりで、しかも一生忘れられないだろう。
 気付かぬうちに人ならざるモノが傍で舌舐めずりしていた――それを察知した瞬間の戦慄。
 命は、戸惑い、滝の如く冷や汗を流すさやかに、にっこり微笑みかけ、言った。

「だって、彼も私が背中を押してあげたんだから」




<<前のレス[*]次のレス[#]>>
1002Res/567.33 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice