過去ログ - さやか「黄金の……狼……」 牙狼―GARO―魔法少女篇 第二夜
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◆ySV3bQLdI.
[ saga]
2012/08/07(火) 02:57:36.36 ID:fZ6/9zuSo
「そうね……」
命は言いながら、さやかに左手を伸ばす。
さやかは本能的に危機を感じ、手を引っ込めようとするが、できなかった。
彼女の眼が身じろぎひとつ許さなかった。
命の左手が右手を包んだ、その瞬間――。
「〜〜っ!!」
全身がゾッと寒気に襲われた。
命の左手からは体温を感じられなかった。否、氷でも押し付けられたかのように冷たかった。
左手の感触と、その異様さがさやかを震わせるが、寒気の原因はそれだけではない。
彼女の異質な雰囲気は全身から発されているのだ。
「綺麗な手ね……」
「あ……の……夕木さん……?」
氷の手が右手の皮膚を滑る。
声が震えているのは寒いから?
違う、と頭より身体が理解していた。
「知ってる? どうかしら……でもまぁ、ある意味では知ってると言えないこともないわね」
この感覚には覚えがある。つい一昨日に味わったばかりで、しかも一生忘れられないだろう。
気付かぬうちに人ならざるモノが傍で舌舐めずりしていた――それを察知した瞬間の戦慄。
命は、戸惑い、滝の如く冷や汗を流すさやかに、にっこり微笑みかけ、言った。
「だって、彼も私が背中を押してあげたんだから」
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