過去ログ - さやか「黄金の……狼……」 牙狼―GARO―魔法少女篇 第二夜
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5: ◆ySV3bQLdI.[ saga]
2012/03/26(月) 01:17:22.67 ID:3kJPE1Eho

 或いは、人間とは異なる魔法少女なら結果は違うかもしれない。その頑強さ故に持ち堪えるかもしれない。
その身に纏う衣装は、激しい戦いに耐え得るよう魔法で生成された物。
覆われていない素肌にも、不可視の魔法の障壁があっても不思議ではない。

 だが、いずれも確証はなく、剥き出しの手以外を掴む余裕もなかった。
確実なことはひとつ。ここでマミを助けなければ、彼女は確実に死ぬ。
 指が触れるか触れないかの距離で互いに交差し、そして離れていく。
ガロが意を決して手を掴もうとした瞬間。

 黄色いリボンがマミの手から伸び、ガロの手に巻き付く。
 ガロの迷いを察したのかはわからない。
ただ、驚き混じりに見た彼女の瞳に困惑は既になく、戦意に満ちた輝きが宿っていた。
 安堵したのも束の間。血に塗れたマミの唇が動いた。
血が喉に絡んで上手く話せないらしかったが、掠れた声でたどたどしく伝えた言葉は。

「逃げて……! 魔女が……!!」

 目を遣ると、まだ息のあった魔女が再び触手を振り上げていた。明らかな重傷でありながら、その執念は凄まじい。
 復讐に燃える魔女の怒りの鉄槌。下る寸前、ガロがマミに視線を戻すと、彼女もまたガロを見ていた。
 一瞬の視線の交錯。そして、マミが力強く頷いた。

「応っ!」

 ガロが吼えると同時に、マミはリボンを可能な限り手繰り寄せる。少しでも互いの距離を縮める為に。
 振り下ろされる触手。ガロは両足を踏ん張る代わりに轟天の腹を締め、両手でリボンを握る。
それを頭上でマミごと振り回し、斬馬剣と同じく勢い良く投げた。
 
 直後、激しい衝撃がガロを襲う。宙に在った轟天とガロが一瞬で地に叩き伏せられる。
 土埃が舞い、地面を覆い隠しただけでなく、煙の如く立ち込めたそれは、魔女の視界をも奪った。
 見えていたのは、ただ一人。
 魔女よりも高みにいたマミだけだった。


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