過去ログ - さやか「黄金の……狼……」 牙狼―GARO―魔法少女篇 第二夜
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◆ySV3bQLdI.
[ saga]
2012/08/13(月) 03:17:50.56 ID:S3bLBGBqo
強く心に想った瞬間。
ドンとテーブルが揺れ、左手首が温かい人肌に包まれる。
そ〜っと目を開くと、手首を握る何者かの手によって、命と引き離されていた。
弾かれたように、顔を上げるさやか。
だが、繋いだふたつの手を離したのは冴島鋼牙――ではなく。
見知らぬ男だった。
鋼牙と同じく、もう暖かい季節というのにロングコート。ただし、その色は白でなく黒。
歳はさやかより上だが、鋼牙よりは幾らか若く見える。
鋼牙と大きく違うのは、鋼牙が常にしかめっ面に見えるのに対し、
黒尽くめの青年は正反対に柔和な顔つきをしていた。
隣では、赤い髪の少女が腕を組んで睨んでいる。こちらは、さやかと同年代だ。
「お楽しみのところ悪いけど、ちょっと付き合ってもらえるかな」
命とさやかを覗き込み、男は言った。
飄々と、おどけた風な口調は、鋼牙とはほど遠い。
なのに身に纏う雰囲気は、どこか鋼牙と共通していた。
単に格好が似ているだけなのか、本能的に何かを感じていたのかはわからなかったが。
だからこそ、さやかは彼が救いの主だと期待していた。
その瞬間までは。
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