過去ログ - さやか「黄金の……狼……」 牙狼―GARO―魔法少女篇 第二夜
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◆ySV3bQLdI.
[ saga]
2012/08/18(土) 23:11:07.50 ID:R7+xiHMjo
「ちょっ――!」
咄嗟のことに抗議の言葉も間に合わない。杏子は強引に、さやかの手首を握って歩き出す。
ただでさえ混乱の最中、引きずられないように足を動かすしかなかった。
「いいから黙って付いてきなって」
と言われて黙っていられるはずもなく、軽い抵抗は幾度となく試みるが、杏子が耳を貸すことはない。
大人の男に無理やり手を引かれているなら助けもあるだろうが、それが同年代の少女である為か、
周囲は奇異の視線こそ送っても救いの手はなかった。
それでも、さやかが大声で求めれば、その限りではなかっただろう。
しかし、さやかはそんなことにも思い至らないほど状況に翻弄されていた。
中でも、最もさやかを混乱の渦に叩き落としたのは、杏子の乱暴な行動を零が咎めもせずに見送ったこと。
あまつさえ、笑顔で手を振ってさえいたことだった。
訳もわからず手首と足の痛みだけを感じていたさやかは、あっという間に物陰に連れ込まれた。
掴まれていた杏子の腕が、ぐるんと弧を描いたと思いきや、さやかの身体までもが180度回る。
「――っっ!」
背中を壁に叩きつけられ、苦痛の呻きを漏らすさやか。
左右と背後の三方は壁に囲まれ、光の世界と繋がる一本道は、杏子が塞いでいる。
想像とは違ったが、またしても闇に落とされたさやかは、為す術なく恐怖に怯えて――はいなかった。
「ちょっと、何なのよコレ! 何のつもり!?」
震えは完全に抑えきれないが、勇気を奮い立たせ、気丈にも食ってかかる。
抗えない腕力で以って、こんなところに連れてこられたのだ。勿論、恐怖がない訳ではない。
が、命のような得体の知れない恐怖が、杏子からは一切感じられなかった。
故に今さら、その程度で怯みはしなかった。
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