過去ログ - さやか「黄金の……狼……」 牙狼―GARO―魔法少女篇 第二夜
1- 20
674: ◆ySV3bQLdI.[ saga]
2012/10/15(月) 02:18:44.37 ID:QhBuy+iGo

 シルヴァの心配を見越したのか、零は走る足は止めず、左手を胸元まで持ち上げた。

「構わないさ」

 言って、口の端を上げる。

「あいつは根っこのところで甘いし、そこまで馬鹿じゃない。
その前に必ず気付く。自分が担がれたってな」

 シルヴァの指摘はもっともだった。
 零も彼女の力は認めているが、杏子を手放しに信用しているとは言い難い。
 強いて理由を挙げるなら、彼女からの信用を感じたから。同時に、自分に対する不信感も。
それらを逆手に取って利用したのだ。 

 たびたび挑まれて何をと思われるだろうが、彼女が毎度それなりに話し合いに応じる事実が、
 多少なりと信用されている証――と受け取るのは自惚れだろうか?
 躾が良かったのか、それとも根の性格が善良なのか。
擦れているように見えて、彼女は純真な部分を残している。

 だが、純粋さは時に足枷となる。
 彼女自身、理屈ではわかっていても、自分がそうである自覚はないようだ。
 でなければ半信半疑でも騙されてはくれない。
人の姿をしたホラーを殺すことに躊躇いを覚えたりしない。

 また、零を信用しきっていないからこそ、言葉を疑い、真の意図に気付けるのだ。 
 杏子を騙すのは心が痛まないでもなかったが、零には使命がある。
迷いを抱えて足手纏いになる可能性がある杏子は、なるべく切り離したかった。
 
『そんなこと言って、本心では彼女が心配だから連れて行きたくないんじゃない?
なら、あなたも充分……』



<<前のレス[*]次のレス[#]>>
1002Res/567.33 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice