過去ログ - さやか「黄金の……狼……」 牙狼―GARO―魔法少女篇 第二夜
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676: ◆ySV3bQLdI.[ saga]
2012/10/15(月) 02:23:17.49 ID:QhBuy+iGo

 入口から数歩も進むと、外のか細い光も完全に途絶える。
 一歩進むごとに積っていた埃が舞う。
 埃とカビの臭い。歩くたび砂利やガラス片を踏み鳴らす音。
嗅覚と聴覚に頼っての索敵は厳しそうだった。
  
 まずはその場に留まり、眼が暗闇に慣れた頃、零は移動を開始する。
 とはいえ、こちらから熱心に探す必要はない。 
敵が魔戒騎士をやり過ごすつもりでもなければ、どこかで必ず姿を現す。
どの道、こちらの存在を隠す術がない以上、奇襲を迎え撃つ方が手っ取り早い。

 双剣は鞘に収めたまま、両手もポケットに収めたまま、靴音を鳴らして歩く零。
 暗闇に目が慣れても、物陰は至るところにある。扉や柱の陰、放置された机などの陰。
それでなくても、数メートル先は漆黒に塗り潰されていて見えない。何が潜んでいてもおかしくない。
 
 普通ならば想像して恐怖するあまり、一歩も動けなくなるだろう。
 このような状況において、零と彼ら常人との違いはいくつかある。
 ひとつは、修業と実戦経験で研ぎ澄まされた第六感。
 ひとつは、恐怖を克服した心。
 もうひとつは、

「どうだ、シルヴァ」

『近いわ。でも、まだそれほどじゃない』

 頼れる相棒。
 零が小声で語りかけると、シルヴァも声を落として答えた。
 ホラーの気配を探知する魔導具は幼少時から知っている。阿吽の呼吸という奴だ。
 異常な街でも、これだけ近く閉じられた環境、
しかも魔法少女のような他に魔力を持った存在が傍にいなければ探知は可能なのだ。


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