過去ログ - さやか「黄金の……狼……」 牙狼―GARO―魔法少女篇 第二夜
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730: ◆ySV3bQLdI.[ saga]
2012/10/27(土) 03:12:23.85 ID:U5eNztmHo

 しかし、着地からステップで体勢を整えた零は、狙いを定め――。
 軽い助走から大きく前に跳び、足を突き出す。  

「っぉりゃぁあああああ!!」

 勢いのついた飛び蹴りが、無防備な命の胸に叩き込まれた。
一切の慈悲もなく、雄叫びを上げて突撃する様は、いっそ冷酷ですらあった。
 直撃を受けた命は、ザザザッ――と床を擦りながら滑り、遂には横たわって動かなくなった。
 
 零は動かない。追撃も、警戒を解きもしない。
 この程度で終わるはずがないと知っているから。
 むしろ、ここまでは前哨戦に過ぎない。ここからが本番。

 しかし、ここで優位に立っておくことは無意味ではなかった。
 然してダメージは残せないだろうが、ここからの戦いに有利にはなる。

 両手を腰に回し、双剣を抜き放つ。
 右手も完全とは言えないが、剣を握れる程度には回復していた。
逆手に持った双剣を胸の前で構えると、命もピクリと動いた。

 足を引きずりながら立ち上がった女は、幽鬼の如き表情。
 肘から先は黒く刺々しく、岩のように固い異形のそれに変異していた。
他が美しい女なだけに、非常にアンバランスな光景だった。
 
 だが、命が両腕を顔の前で交差させることで、それも終わる。
 交差した腕を振り広げると同時に、魔獣は夕木命の殻を脱ぎ捨て、
完全にホラー・モロクの正体を現した。




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