過去ログ - さやか「黄金の……狼……」 牙狼―GARO―魔法少女篇 第二夜
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797: ◆ySV3bQLdI.[ saga]
2012/11/26(月) 02:25:30.99 ID:DfgLvHbDo

 飛び込んできた杏子に、零はまたも平然と片手を上げて、親しげな挨拶を送った。
 ついさっき嘘をついて利用したこと。
 ここが戦場であり、自分が今もって危機の最中にあることなど、気にも留めていないかのよう。

 杏子の答えは、冷たく鋭い視線と、眼前に振り下ろした槍。
しかも、零が上体を逸らさなければ額に刺さっている位置である。

「なにヘラヘラしてんだテメーは……。あたしを引っ掛けて都合良く使いやがって。
まさか忘れたわけじゃねーだろうな……。
あと、あたしをあんこちゃんて呼ぶなって何回言やわかるんだ……!」

 杏子は両者の間に立ち、左半身をモロクに、右半身を零に向けている。
 警戒はしているが、武器と顔を零に向けている現状は、かなり危険だろう。
それでも、それだけ、零に言ってやりたい思いが勝っていた。

「ま、あんこちゃんも、そう怒らないでさ。
とりあえず積もる話は後にして、まずは"そっち"を一緒に片付けない?」

 と、零は杏子を宥めつつ、彼女の左を指差す。
 ぽつんと置いてきぼりにされていたホラーは、酷く間抜けだった。
 だが、闖入者に呆然としていたのも数秒。杏子が魔法少女と知るモロクは、彼女も敵と見なして排除を開始する。

 零に言われるまでもなくモロクの攻撃を察し、杏子は首だけを回した。
 モロクの左肩から火炎弾が発射される。
 杏子は迷わず仰け反って炎弾をかわした。

 モロク、杏子、零の位置は直線で結ばれている。
零からすれば、杏子の身体で塞がれていた視界が開け、いきなり火球が出現したに等しい。




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