過去ログ - さやか「黄金の……狼……」 牙狼―GARO―魔法少女篇 第二夜
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878: ◆ySV3bQLdI.[ saga]
2012/12/11(火) 02:50:31.24 ID:mzUXsX6Bo

 肌を焦がす熱気と、肌を刺す冷気。
 それらが徐々に強まっていくのが、目を閉じても感じられた。
 近付いてくる炎弾と氷弾。 これは獲物を捕らえておくだけの生易しい物ではない。
 さしずめ、炎と氷の牢獄。じわじわと責め殺す為の拷問に等しい。

 にも関わらず、幻の中の男女は、陽の光を浴びながら愛を語らっている。
 二人はあまりにも場違いで、それは却って不気味で異質な印象と、恐怖を杏子に与える。
 こんな幻を見せる意味がわからなかった。

 この幸せに満ちた光景を見ながら死んでいけというのか。
 寄り添う恋人たちを羨みながら、妬みながら。
 こんな、寂しい暗闇の中で。

 或いは、焼かれ、凍らされたとしても、
魔法少女の肉体は杏子を簡単には死なせてくれないかもしれない。
 だからこそ、ホラーは回りくどい方法を取ったのかも。

 だとしたら零が敗れた時、ほど良く仕上がった身体と魂は、
さぞやホラーにとって上等な食事となるのだろう。

 死よりも辛い末路を想像する杏子の心に、仄かな影が差し始める。
 それは夜の闇よりも暗い影。
 魔法少女を魔女に変える、絶望という名の影。
 絶望に誘われそうになる杏子の前には二つの選択肢があった。




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