過去ログ - さやか「黄金の……狼……」 牙狼―GARO―魔法少女篇 第二夜
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◆ySV3bQLdI.
[ saga]
2012/12/20(木) 03:18:15.52 ID:P2uWvMw9o
「さてと……終わったぜ、あんこちゃん」
静寂を取り戻した廃ビル内に残ったのは、零を除いて一人。
協力者にして今回の功労者、もしかすると二戦目の対戦者になる少女。
今夜は流石に疲れたし、杏子も負傷しているのだから再戦は避けたいところだが、どうなるやら。
とりあえず感謝を伝え、休戦を申し込むべく振り返り、
「……あんこちゃん?」
異変に気付く。
杏子は先ほどと変わらず膝をつき、顔を伏せたままだった。
ホラーから解放されてなお、彼女が静かな時点でおかしかったのだ。
「おい! どうした!?」
両肩を掴んで揺さ振っても返事はない。
持ち前の生意気さも、猛々しさも、完全に沈黙している。
顔を上げさせても、曇った瞳に涙を滲ませ、虚空を見つめるばかり。
零はハッと息を呑む。
そこにいたのは自分の力だけを頼りに生きるしたたかな野良犬ではなく、
まるで冷たい雨に濡れて途方に暮れている捨て犬のようだった。
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