過去ログ - さやか「黄金の……狼……」 牙狼―GARO―魔法少女篇 第二夜
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978: ◆ySV3bQLdI.[ saga]
2013/02/05(火) 02:51:06.29 ID:bSU8f1Sbo

 シルヴァの推理に零は首を傾げ、暫し考え込む。
 つまり、何らかの暗示を掛けられ、解放後も催眠状態が続いている?
あり得ない話ではないが、どうにも腑に落ちなかった。

 何かが引っ掛かっていた。
 そもそも、これまであまり経験のない事態ではあるのだが。
 だが、続くシルヴァの言葉で、得心が行った。

『彼女たちは常識で計れる存在じゃないわ。
そうね……もし、彼女自身も幻惑魔法とか使えるとしたら』

「自分で自分に幻を見せているってことか? それなら覚めないのも道理だろうが……」

 ひとまず納得した零は、

「にしても、あんこちゃんにそんな芸当ができたとしたら大変だ。
昨日使われてたら、ちょっとヤバかったかもな」

 魔戒騎士に催眠や精神操作の類は通用しないが、幻惑魔法と言うなら他にも手段は考えられる。
 こちらを幻惑するホラーも存在し、苦しめられたこともある。
 法師ならまだしも、そのすべてを騎士の自分が防ぎ、見破れたかどうか。

 あの状況で杏子が全力を出さなかったのは不思議だが、
ともかく自分の認めた彼女の全力は、まだまだあんな程度ではないということ。
 零は薄く笑った。少し嬉しくなったのだ。

『じゃあ普段は何らかの理由で封印していた、とか?』

「それを今は無意識に発現させている、と。しかし、どんな幻を見てるんだかな」

 零は、杏子の頬をペチペチ叩いて笑みをこぼす。やはり反応は微弱。
 野良犬か、酷い時は狂犬にもなる少女だが、こうなると張り合いがない。




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