過去ログ - 勇者「淫魔の国の王になったわけだが」
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106: ◆1UOAiS.xYWtC[sagesaga]
2012/03/27(火) 03:28:08.96 ID:h7sEMOtHo
勇者「ならばいい。さて………とっ!?」

ワルキューレ「?」

勇者「ちょっ……剣が手から離れない!」

ワルキューレ「は?」

勇者「まさか、これって」

左手を使って指を一本一本離していこうにも、吸い付くように柄は右手から離れない。
装飾の眼の部分にあしらわれた闇色の宝石が輝きを増し、山羊の髑髏部分から不安を煽るような低音の旋律が鳴り響く。
跪いたままのワルキューレは信じ難そうに、彼を見ているだけ。
状況すら掴めず、それどころか冗談を言っているものとばかり思っている。

堕女神「呪われてますが?」

闘いが終わったのを悟り、近寄りながら堕女神が言う。
悪びれる様子などまったく無く、むしろ、「何を今更」とでも言いたげに。

勇者「……なぁ、俺さ。お前に何か悪い事したっけ」

堕女神「いえ」

勇者「……分かったよ、頼むから呪いを解いてくれ」

堕女神「………いいでしょう」

どこか不満げな表情ではあるが、彼女は頼みを聞き入れる。
指先に暖かな光が灯り、その指先で、剣を握ったままの右手をなぞる。
彼女の指の光が消えた直後、握られた手の内部から何かが割れる高らかな音が聞こえた。


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