過去ログ - 勇者「淫魔の国の王になったわけだが」
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◆1UOAiS.xYWtC
[sagesaga]
2012/03/27(火) 03:13:34.96 ID:h7sEMOtHo
壁に身を預けて座っているワルキューレの前に、いくつもの重厚な金属音が鳴り響いた。
虚空からいきなり現れたのは、彼女を包んでいた武具。
翼のついたサークレットに鎧、脚甲、篭手、そして黄金に輝く斧槍。
どれも、正真正銘、彼女が身につけていたものに違いなかった。
牢内に突如現れたそれに、彼女は驚きを隠せていない。
魔術の類ではあろうが、劣等感よりも早く、恐怖が湧き出た。
無論、彼女とて魔力はある。
だが、目の前の相手とは比べられない。
主なる神にも連なる、圧倒的な差異があるように思えた。
次に、堕女神は左手を鉄格子の隙間から差し入れる。
掌に灯った金色の光が、地下牢を眩く照らし出す。
ワルキューレは、その光を警戒はしなかった。
もはや恐怖もなく、失われた半身を差し出されたような、有難みにも感動にも似たもので上書きされたからだ。
光が掌を離れると、まっすぐにワルキューレの胸へと向かい、溶け込んで消えた。
直後、異変が起こる。
萎えていた足腰に力が宿り、その場へ、まっすぐに立つ事ができた。
全身の血管が脈打ち、張り裂けそうな圧が、血管から内臓までを硬く漲らせる。
反面、急激な変化による悪酔いはない。
あるべき状態に戻った、懐かしさだけがある。
弱々しく、許しを請うようだった眼差しにも変化が訪れた。
碧色に輝き、一点の曇りもない、勝気な瞳が戻ったのだ。
本来、彼女が持っていた力が――すべて、元へと戻った。
堕女神「……装備を整えなさい。中庭で、我が王がお待ちです」
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