過去ログ - 勇者「淫魔の国の王になったわけだが」
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◆1UOAiS.xYWtC
[sagesaga]
2012/03/27(火) 03:19:54.24 ID:h7sEMOtHo
戦端を開いたのは、ワルキューレではなく、勇者。
向かって右側、ワルキューレの弱手側へと飛び込む。
未来位置を予測して突きが繰り出されるが、瞬時に減速、間一髪に回避する。
右脇腹をかすめた切っ先により、シャツの繊維が僅かに解れるが、皮膚にすら届いてはいない。
ワルキューレが得物を引き戻す前に、握り手へと向け、柄に沿って剣を滑らせる。
火花が散り、耳障りな高音を発して刃がワルキューレの左手へと向かう。
長柄の中ほどを握っていた左手に、逃れる術はない。
もしも、彼女が―――『両手』を使わなければ、武器を扱えないのなら。
狙われていると悟った左手は、おもむろに柄を離れた。
支点を失った斧槍は切っ先の重さに任せ、尖端を芝生に沈ませる。
行き場を失った剣は一時逡巡し、速度を低下させてしまう。
その一時を狙って、ワルキューレの右腕に力が篭もる。
沈んだはずの重い切っ先が再び起き上がり、すぐに、横方向へのベクトルを伴って動き出す。
ゼロ距離の状態から、右腕の力のみを使っての、柄による打ち込み。
にも関わらず、その打ち込みは著しく重い。
刀身でそれをガードするが、運動量に反して重すぎる。
受けきる事ができないと判断し、勇者はその勢いに身を任せ、大きく後方へ飛び退く。
ひとまずの安全圏に逃れると、勇者は深く呼吸して、脳髄に再び酸素を送り込む。
脳細胞が一気に稼動して、状況整理に努めた。
―――なぜ右腕の力だけで斧槍を持ち上げられるのか。
―――筋力だけとは思えない、打ち込みの異常な重さ。
―――何かが、ある。
瞬きほどの間に、幾つもの思考が飛び回る。
人間を基準に考えれば、あの動作など不可能だ。
ただの槍ならともかく、斧刃さえ備えた長柄であるのに。
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