6:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2012/03/28(水) 04:51:35.03 ID:2GPEYJFx0
初めて、お父さんの話を聞いてもらえた。
そのことが、私にはとても、それはそれは、とても嬉しかった。
その後も、お父さんが路上で話しているたびに、あのお姉さんは姿を表し、千円をくれた。
たびたび、お菓子や果物をくれることもあって、おかげで食事は最低限補完できるようになった。
毎回のように話を聞いてくれるお姉さんの優しさに、お父さん、泣くこともあって、相変わらずだな、と家族から言われることもあったっけ。
でも、人には必ず死がやって来るものだ。
お母さんは元々病気持ちで、虚弱体質だった。
短命だとは言われていたが、こっくりと死んだときには家族みんなで悲しんだ。
その話を聞いたお姉さんは、涙を流してお母さんの死を悔んでくれた。
お姉さんの存在は、当時の私とモモにとって、まるで童話に出てくる女神のようだった。
そしてその一年後、ついにお父さんも死んだ。
飲酒運転のトラックに轢かれた、交通事故だった。
そして両親が死んだ私たちは、路上に投げ出された。
親戚からは、鼻つまみ者にされて、頼るところがなかった。
その後は、孤児施設に住むことになった。
しばらくはお世話になる……と、思ったのだが、思ったより早く里親が見つかった。
28Res/23.05 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。