16:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)
2012/03/31(土) 19:40:12.85 ID:d3XGB+q8o
家に着く。
するといきなり「君のお父さんとお母さんに挨拶させてもらえない?」と言うものだから。
チーン、と鉄の乾いた音が部屋に響き
「・・・・・・・・」
僕らは仏壇の前にいた。
少し前、彼女が僕の両親の遺影を見て少し硬直した時にはどうしたものかと途方に暮れたものだったけど
「・・・・・・・有難う」
普通に僕の両親に挨拶できたようで何よりだった。
「お茶でも飲むかい?」
僕は自分が喉が渇いたので提案する。
「じゃあいただこうかな」
と、彼女が笑う。
数刻ぶりに彼女の笑顔を見た気がする。
僕は台所に行って茶葉と急須を用意した。
「安物のお茶で悪いね」
社交辞令的にそう高くもないお茶を紹介しつつ、彼女のもとに湯のみを置く。
「そんなことないわ」
と、また社交辞令的に返し一口飲んで
「美味しい」
――まぁ、悪い気はしなかった。
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