過去ログ - 黒井社長「行くぞっ!!青二才っ!!」(アイマスSS)
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33:1 ◆6aY2CdF7PY
2012/03/29(木) 14:17:58.48 ID:lnWJ8GSr0
「何でも昨日、とある作戦を黒井はんに邪魔されたみたいで、随分ご立腹のようどすえ」

ここだったのか――っ!!そういえば脱走した『少女A』の追加情報で方言なまりがあったと聞いたが、沖縄だったとは。

「さて挨拶も済んだところですし、後は御両人で話し合うて下さい」

御当主はそう言って席を立つと、湯呑みを片手に奥様を連れて部屋の出口へと歩いていく。沖縄忍者達は道を開けてお二方を通す。

「……って、ええ〜〜っ!?このままじゃ俺達殺されますよっ!!何とかしてくださいよ御当主っ!!」

俺は慌てて呼び止める。やっぱりさっきの、このバカの平安時代お化け屋敷発言にキレていたのだろうか。

「いやあ、実は今日、黒井はんが遅れて来はることをうっかり貴音に言い忘れましてなあ……」

御当主が独り言のようにつぶやく。こちらに背を向けているので、その顔をうかがい知ることは出来ない。しかし何だか声が怖い。

「この寒空の下、昼から夕方まで5時間以上門の前で立っとったあの子の事を思うと、さぞかし可哀そうでなあ……!!」

ジュワッ!!御当主が手に持っていた湯呑みのお茶が一瞬で沸騰し、蒸発した。何なの?流行ってるのその怒り方?
というか俺達悪くないよね?そもそも伝え忘れた御当主が悪いよね?ていうか俺達が遅れたのはこの忍者共のせいなんですけど!!あとスマン貴音!!

「沖縄忍者はん達も、黒井はん達と同じように子供達を守る活動をしておられます。四条家としては、どちらにお任せしても構いやしまへん」

御当主は淡々と言葉を続ける。さっきまで楽しくおしゃべりしていたのがウソのように、冷たい言葉だ。

「それに黒井はんがこれくらい切り抜けられへんかったら、そもそも貴音を任せることは出来まへんなあ」

「フンッ、無論だ」

社長はニヤリと笑うと、ムダに恰好をつけた。御当主は「貴音の事はご心配なく。ではごゆっくり〜」と気楽な調子で部屋を出て行く。

「さて青二才、覚悟はいいかな?」

「何の覚悟ですか……辞世の句なら10コ程出来ましたよ……」

じりじりと迫ってくる忍者達に、俺と社長は背中合わせでそれぞれ構えた。生きて帰れるかな俺……


***


俺達を囲む沖縄忍者の皆さんが、じりじりとその包囲網を狭めて来る。俺と社長はいつでも反撃できるように、戦闘態勢のままやつらを
睨んでいた。

「まあ落ち着きたまえ君達。とりあえず話し合おうではないか」

「話すことなどないさー。お前らはここで[ピーーー]」

頭目と思われる忍者が、社長の言葉を拒絶する。[ピーーー]って、えらく物騒だなおい。

「目的は何だ?お互いに同じような活動をしているなら、和解だって出来るはずだ」

俺も諦める事無く説得を試みる。まあ時間稼ぎにもならないだろうが。

「お前ら新参者にしゃしゃり出て来られると、こっちが迷惑するさ。このうえ四条家まで味方につけられたら、もう無視できない。だから
 大人しく手を引くさー」

確かにウチは、ここ数年で急激に力をつけた新興勢力ではあるが、琉球王朝時代から続くような組織に比べたらほとんどがヒヨっ子みたいな
ものだろうが。

「フンッ、何かと思えば只の縄張り争いか。同業者の大先輩の割には、考えていることは犬並みだな」

「何だと……?」

ジャキジャキジャキッ!!忍者達が鎖鎌やサイ、ヌンチャクなどを取り出す。刺激してどうすんだよこのバカッ!!生存確率がどんどん
下がるだろうがっ!!

「(オイ青二才)」

社長が聞こえるか聞こえないかの小声で、声をかけて来る。こんな状況なのに随分余裕っすね。

「(背中合わせのまま、ゆっくり右に回れ。私が止まれと言ったら、止まるのだぞ)」

「(?……了解しました)」

何か考えがあるらしい。俺達は背中合わせのまま、ゆっくり右に回転する。




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